光源加速器棟
(t-ACTS)
加速器・ビーム物理研究を⾏なうために建設した⼩型の電⼦線形加速器です。
加速器ベースのテラヘルツ光源開発などが⾏なわれています。
最⼤エネルギー:50MeV
テラヘルツ光の波⻑(1THzの光で300mm)よりもパルス⻑の短い電⼦ビームを⽣成し、そのビームを使ったコヒーレント・テラヘルツ光源の開発を⾏なっています。
電⼦ビームを速度集群法という⼿法により、100フェムト秒(10-13秒)以下に圧縮します。圧縮されたビームの時間幅は、当センターの原⼦核実験に⽤いられている電⼦ビームの数100分の1の⻑さしかありません。このような極めて短い電⼦ビームを作るために、私たちは独⾃に熱陰極⾼周波電⼦銃を開発しました。この電⼦銃を使うことによって、電⼦ビームの時間⽅向分布とエネルギー分布を制御し、効率良くビームを圧縮することができます。また、カソードに直径3mmの単結晶CeB6 (六ホウ化セリウム)を使⽤しており、低エミッタンス電⼦ビームを作り出すことが可能です。
電⼦ビームの⻑さが放射する光の波⻑よりも短くなると、⾮常に強いコヒーレント放射を得ることができます。これまでに私たちは、約100 フェムト秒まで圧縮した電⼦ビームを強⼒な永久磁⽯で構成されるアンジュレータに⼊射することによって、⼤強度のコヒーレントアンジュレータ放射の発⽣に成功しました。将来的には、コヒーレント放射の可⼲渉性を利⽤したテラヘルツ光の偏光状態を操作する実験などを計画しています。