電⼦円形加速器1.3 GeVブースター・ストレージリング “BSTリング” (第⼆実験室)

“BSTリング” 第二実験室
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STリングはシンクロトロンと呼ばれる種類の電⼦円形加速器であり、線形加速器から⼊射された約90 MeVの電⼦ビームを最⼤1.3 GeVまで加速してリング中に貯蔵します。 ビームの加速や貯蔵に必要なエネルギーは、共振周波数500 MHzの⾼周波加速空洞により供給されています。リングを周回している電⼦ビームの軌道上に⾮常に細い炭素 ファイバーを挿⼊することで、制動放射により⾼エネルギーのガンマ線を発⽣させることができ、このようなビームラインが2か所に設置されています。代表的な運転パター ンでは、2秒ほどで⼊射ビームを加速し、10秒程度の時間をかけて10 〜30 mA の電⼦から少しずつガンマ線を発⽣させ、その後5秒程度で再び次のビームが⼊射されてい ます。

γ線( 光⼦) と中性⼦の反応による中性K 中間⼦とΛ粒⼦の⽣成は、反応の前後に電荷を持たないという特徴を持ち、これらの粒⼦は⽣成後、数⼗から数百ピコ秒後に他の粒⼦に崩壊します。このことが測定を難しくしており、我々東北⼤グループが世界で最初に測定しました。この成功を受け、より精度良く測定領域も広い、測定装置NKS2 を製作し実験を⾏ってきました。

NKS2 は、荷電粒⼦の運動量を測定するための電磁⽯とドリフト・チェンバーと呼ばれる⾶跡検出器、粒⼦識別を⾏う為の⾶⾏時間検出器、液体⽔素・重⽔素標的システムから構成されています。BST リング内を周回する電⼦から制動放射で実光⼦ビームを⽣成し、光⼦のエネルギーと⽣成時刻を決定する、実光⼦標識化装置を備えています。