先端量子ビーム科学研究センター クォーク核物理研究部について
私たちの周りにある物質を詳しく調べると、原子という単位にたどり着きます。 原子は原子核と電子で構成されており、原子核は陽子や中性子といった核子から成り立っています。 現代の物理学では、核子が3つのクォークが組み合わさることで形成されることが分かっています。 このように物質の構成要素を見ていくと、階層構造が現れます。 私たちの研究グループは、特にクォークの振る舞いに焦点を当てています。 加速器という大型の実験装置を使って、クォークがどのように組み合わさり核子が形成されるかを実験的に調査しています。 核子はアップクォークとダウンクォークの二種類で構成されていますが、ストレンジクォークやチャームクォークといった他のクォークも存在することが分かっています。 核子を含むより広い範囲の概念としてハドロンがあり、これにはバリオン(3つのクォークから構成)やメソン(2つのクォークから構成)が含まれます。 私たちの研究の目的の一つは、これらハドロンの一般的な性質を明らかにすることです。
また、ハドロンの特徴的なパラメータの一つに質量があります。 この質量は、宇宙創成時にカイラル対称性が破れることで生じたと理論的に説明されています。 このメカニズムを実験的に検証するために、高密度の原子核内部でハドロンがどのような性質変化を示すかを研究しています。
これらの研究は、物質がどのように生まれたかという謎の解明につながります。
私たちは、先端量子ビーム科学研究センターの電子加速器をはじめ、日本や世界各国の加速器施設で、この謎を解明するための研究を日々行っています。
主な研究施設:東北大学先端量子ビーム科学研究センター、大強度陽子加速器施設J-PARC、大型放射光施設SPring-8、イタリア国立核物理研究所(INFN)
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